-スピリチュアルケア-尼様と勉強会

先週スピリチュアルケアの勉強会に行ってきました。

「スピリチュアルケア」と言う言葉をご存じでしょうか。私たちの働く医療・介護の分野で少し前からじわじわと広がってきている考え方で、病気や怪我、災害などの経験により、死を意識することにより生じる痛み「スピリチュアルペイン」に対するケアのことを指します。
スピリチュアルペインには「自分はなぜ死ななければならないのか」「死んだあとはどうなるのか」「今までの自分の人生は何だったのか」といったような、生や死そのものに関する苦痛、「誰も自分のことを理解してくれない」「家族に申し訳ない」といった孤独感や罪責感からくる苦痛の他、永遠に家族と別れなければならないと感じる別離の予測に伴う苦痛などがあると言われています。

今回の「スピリチュアルケア」の勉強会は、同じ江戸川区にある訪問看護ステーション「あおい」さんが主催で、講師には元看護師で夫をがんで看取った後出家をされ、現在僧侶となった玉置妙憂(たまおきみょうゆう)さんが来てくれていました。看護師さんで尼様!!

玉置さんのお話は、看護師として医療や介護分野に切り込む鋭い視点を備えながら、実際に夫を自宅で看取ったという当事者の視点、さらに尼様としての「生と死」の視点が織り交ざり、とても興味深いものでした。

ホスピスには神父様がいらっしゃるところもあるみたいですが、多くの方が死を迎える施設や病院には、身体を見てくれる医師や看護師はいても、日常の業務が忙しいこともあり、死に寄り添い、共に歩むような心のケアは十分に行えておらず、日本の「死の質」= Quality Of Death(QOL:Quality Of Lifeは知っていましたが、こんな言葉もあるんですね!)は世界的にみても高くないそうです。

世界一の長寿国となった日本。だからこそ、寿命の次は「より穏やかで安らかな死に方」に注目が集まっているのかもしれません。
玉置さんのお話を聞いて、人間が生まれ死んでいくという当たり前の営みに対して、当たり前に寄り添い痛みを共有してくれる人がいる、そんな「あたりまえ」をもった社会になるといいなと思いました。

まずは、医療や介護の分野で働く私たちが、その役割を担えるよう頑張っていかないとですね!私たちここゆいも、微力ながらお手伝いさせて頂ければと思いますので、辛い時、悩んだ時は、いつでも相談してくださいね☆